突然ですが留学生が一番嫌いなクラスがなんだか知っていますか?
それがこの"COM101"、人前で話すことを練習するパブリックスピーキングのクラスです。
私の友達では嫌すぎてクラスに行かなくなってしまう人がいるほど、英語が上手く喋れない留学生には恐怖の授業。
日本では珍しい授業ですが、アメリカでは当たり前のようにどの学校にもスピーチの授業が存在します。
そこで今回は、私の体験をもとにCOM101がどんなクラスなのかを紹介します。
もくじ
私の教授紹介
Rate My Professor では“Tough Grader(採点が厳しい)”と言われるように、成績の付け方は厳しいです。
多くの教授は90%以上でA評価をくれますが、この教授は94%以上でないとA評価をもらえません。
フィリピン人の女性の先生で、クラスでは厳しい印象でしたが一対一で話すと分からないことは丁寧に教えてくれました。
クラスで聞きにくいことがあれば、オフィスアワーを活用して質問するものいいかもしれません。
クラスの特徴
このクラスは教科書を使い、スピーチの基礎、他にもパワーポイントの作り方、私たちがどうやってコミュニケーションをとっているかなど、スピーチだけではなくコミュニケーションの本質を勉強します。
筆記テストも中間と期末で2回ありますが、やはりこのクラスのメインは定期的にあるスピーチ発表会です。
- Autobiographical Speech
- Demonstration Speech
- Informative Speech
- Persuasion Speech
- Impromptu Speech
4ヶ月の間に5回のスピーチが用意されていて、各スピーチによってスピーチの目的が変わってきます。
そして後半になればなるほど難しいです。
それで一つずつスピーチを見ていきましょう。
Autobiographical Speech 3-5分
クラスで行う最初のスピーチがこのAutobiographical Speech(自己紹介スピーチ)です。
クラス初日から、遅くても次の週までには行われるので短期間で準備しなければいけませんが3-5分スピーチと短いですし、自分についてのスピーチなので簡単です。
私のクラスでは、自分を象徴(しょうちょう)するような物を持ってきて、なぜそれが自分を象徴するのか話すというお題でした。
私がスピーチをしたのはドラえもんについてです。
ドラえもんがいかに自分のシンボルなのか、ドラえもんを知らないアメリカ人の前で話しました。
当時発表したスピーチの台本を載せるので、参考にしてください。
Demonstration Speech 5-7分
2回目のスピーチがDemonstration Speech(実演スピーチ)です。
このスピーチでは、クラスの前でスピーチをするだけではなく自分の得意なことを披露し、やり方・作り方を説明しなければいけません。
料理が得意な子は実際に調理器具を持ってきて、どうやってタコス作るのか調理しながらスピーチをしていました。
以前には折り紙をクラスに配って、鶴の折り方を教える生徒もいたそうです。
私のトピックはヒッチハイクの仕方。
実はアメリカに留学する前に、日本を2週間ほどヒッチハイクで回った経験があったのでそのことについて話しました。
実際にダンボールに行き先を書いて、どうやって車に乗せてもらうかの実演をクラスの前でしたんです。
こちらの原稿も載せるので参考にしてください。
Informative Speech 6-8分
クラスの中間テストが終わった後にするのがこのInformative Speech(情報提供スピーチ)。
このスピーチでは、本や信ぴょう性のあるサイトの情報を5つ以上引用し、物や出来事について発表します。
先ほどのDemonstration Speechでは何か出来る流れを説明しましたが、今回のスピーチでは引用を5つしなければいけないので、第三者の視点で話さなければなりません。
私が行ったInformative Speechは神風特攻隊についてです。
“神風”はアメリカで名前は知られているものの、実際になんなのか知っている人少ないからです。
私は当時の映像も流しながら、このスピーチをしました。
台本も載せるので参考にしてください。
Persuasion Speech 7-9分
準備するスピーチの中で最も難易度が高いのがこのPersuasion Speech(説得するスピーチ)と言われています。
なぜこのスピーチが難しいかと言うと、スピーチのお題が意見の別れるものでないとダメだからです。
例)
・ 学生は制服を着るべきだ
・ 80歳以上の車の運転は禁止するべきだ
・ 動物園と水族館はなくすべきだ
見て分かる通り、賛成派と反対派に別れるようなお題ばかりですよね。
決して二択にならなくても良いですが、自分の考えがなぜ正しいのかを論理的に、本などからの情報を引用して発表しなければいけません。
ただし、人を説得するのに必要なのは論理だけとは限りません。
人はどのようなスピーチで納得し、逆に納得しないのかもこのクラスで学びます。
私のタイトルは「健康になりたければ少食になりなさい」。
こちらの原稿も下にあるので参考にしてください。
Impromptu Speech 1分
Persuasion Speechも大変ですが、このImpromptu Speech(即興スピーチ)も大変です。
なんたってお題をその場で出され、1分で考え1分以上話さなければいけないのです。
アメリカ人でも即興(そっきょう)スピーチが出来ない人が多く、中には出来なくて泣き出してしまう生徒までいました。
アメリカ人でも大変な即興スピーチが最後に待ち受けているのがCOM101です。
クラスの感想
アメリカに来て最初の学期に取ったのがこのスピーチのクラスでした。
他のクラスに比べて人数も少なく、自分のことを発表する機会が多いので友達は出来やすいです。
大学4年間の中でプレゼンは毎学期のようにありましたが、このクラスで経験したことが活きていると思います。
アメリカの大学では人前でプレゼンテーションする機会が何十回もあるので、このクラスで意味のある失敗を沢山しておきましょう。
学校には"コムラブ"と呼ばれる生徒のスピーチ作りを手助けしてくれる施設もあるので、ぜひ利用してみてください。
まとめ
- COM101とはパブリックスピーキングのクラス。
- クラスで行うスピーチは以下5種類。
1. 自己紹介をする Autobiographical Speech
2. 得意なことを実演する Demonstration Speech
3. 情報を提供する Informative Speech
4. 人を説得する Persuasion Speech
5. 即興で行う Impromptu Speech - アメリカの大学ではクラスでスピーチをする場面が多々あるので、このクラスで失敗してもいいから人前で話すことを練習しよう。
ネイティブのように英語を話せない私でしたが、このクラスでは最高評価のAをもらうことができました。
なぜアメリカ人のクラスメイトよりも良い成績を留学生が取れたのか?
それはスピーチで大切なのは英語力よりも準備力だと気づいたからです。