世界中でコロナウィルスの感染が拡大しています。
私が住んでいる街ラスベガスも例外ではなく、感染者は増え続け、州知事から3/18以降のレストラン営業に制限が掛かりました(3/18日の時点ではお持ち帰りのみの営業は可能、3/21日からは完全な営業停止命令)。
私が働くレストランも一時的に閉めることになり、一緒に働いた仲間たちも全員仕事を失いました。
私は会社の社員なのでまだ解雇はされていませんが、レストランの営業停止命令が出た以上、いつ解雇されてもおかしくありません。
世界が混乱、周りの仲間が困っている時に自分に出来ることはないのか?
ただ家でじっとしていることしか出来ないのか?
身近で困っている人たちがいるのに、何もせずにはいられない自分がいたんです。
自分が働いていた寿司屋も一時閉まることになり、そこで余った魚を使って彼らに寿司を握って配れないかと考えました。
そこからやったこともない挑戦が始まります。
もくじ
自分の元従業員の安否を確認
レストランが閉まることになり、一番心配したのは以前のお店で一緒に働いた仲間たちの安否です。
私は以前2店舗のラーメン屋の店長をしており、自分の従業員は家族のような存在でした。
仕事を失った彼らの安否を確認するため、50人全員に連絡しました。
「君と君の家族は大丈夫か?」
「寿司を握って家まで届けようと思っているけどいるか?」
全員から無事だという返事をもらうことができました、1人を除いて。
自分の娘がコロナかもしれないという連絡をもらったとき、感染していないことを祈るしか出来ない自分が情けなかった。
娘を部屋に隔離はしているが、自分も感染しているかもしれない。
そんな恐怖と戦う従業員もいたんです。
見えない敵、ウィルスの恐ろしさを知りました。
仲間の助け
寿司を握ると言ったものの、1人で終わる数ではありませんでした。
そこで別の寿司屋で働く友達2人、寿司素人のルームメイトにも手伝ってもらい早朝から21人分の寿司作りが始まります。
家庭用炊飯器で8回お米を炊き、魚を切ってシャリを作る。
初めての試みでトラブル続きでしたが、作業開始から5時間で全員分の寿司を握り終えました。
自分は配達に追われ、9割の寿司を握ったのは彼らです。
そんな中、嫌な顔一つせず私のプロジェクトに協力してくれた彼らには感謝しかありません。
そうして完成したのが巻き寿司15本、寿司200貫です。
愛とは相手を思いやること
お世話になっている人も含め、21人の家を一軒ずつ回りお寿司を配りました。
彼らのお寿司をもらって喜んだ顔は今でも鮮明に覚えています。
自分が少しでも彼らを励ますことができ、助け合い、愛の連鎖が広がることを願っています。
愛を与えるなんて難しいことではありません。
愛とは相手を思いやることだと思います。
近所の安否を確認するだけでも良いじゃないですか。
友達に大丈夫か?ってテキストするだけでも良いじゃないですか。
こんな世界が混乱している時だからこそ、みんなで助け合い、愛の連鎖を広げませんか。
行動しよう
ここで同僚から来た返信の一部を紹介させて下さい。
俺のこと、家族のことを気にかけてくれてありがとう。そんなことを聞いてくるのは俺の家族でもいなかったよ。
相手を思いやる心こそ1番の助けになるのではないでしょうか。
個人が愛を広げるには限界があります
だからこそ一人一人が身近な人にもっと思いやりを伝えることが大切なんです。
あなたの力を貸してください。
みなさん、一緒に行動しませんか?
最後に
私が今回思いを行動に移せたのは、東日本大震災の時になにも出来なかった自分が悔しかったからだと思います。
当時は高校2年生でしたが、あれだけ日本の人たちが被害をこうむったのに、他人事のように振舞っていた自分が恥ずかしかった。
アメリカに飛び立つ前には被災地の石巻市を訪れ、3年経ってもガレキの山になった街を見て震災の恐ろしさを感じ、次こそ誰かの役に立つことを決めたのです。
勢いだけで無計画に始めたプロジェクトが成功したのは、魚を多めにくれた上司、朝から一緒に作業し私が帰ってくる深夜まで待っていてくれた仲間のお陰でしょう。
この場を借りて、言わせてください。
「最高な仲間に囲まれ、今回のプロジェクトで一番元気をもらったのは他でもない自分です。常に愛をもらっているからこそ、私は周りに愛の連鎖を広げられるのだと思います。心からありがとう。」