英語力は主に4つの分野に分かれます。
- ライティング(書く能力)
- リーディング(読む能力)
- リスニング(聴く能力)
- スピーキング(話す能力)
この4つの中で日本人の私たちが一番苦手な能力こそ、スピーキングです。
どうしても日本の英語教育では、スピーキングは後回しにされる傾向があるため、日本人はスピーキングへの苦手意識が非常に強いと感じます。
アメリカの大学では絶対に取らなければいけない科目の中に、”Communication 101(パブリックスピーキングの授業)”があります。
この授業では、1学期内に4-5つほどのプレゼンテーションを行います。
もちろん全て英語です。
留学生の一番苦手な教科と言っても過言ではなく、スピーチをしたくないあまり、クラスに行かなくなりF(最低評価)を取ってしまう学生までいると聞きます。
これは必修科目なので、逃げても卒業するためには取らないといけないのですが。。。
ちなみに私もアメリカに来て一番最初に取った授業がこのパブリックスピーキングの授業でした。
もちろん私も嫌で逃げ出したかったですが、結局は取らないといけない教科でしたので、逃げずに向き合うことにしました。
証拠として写真を載せますが、このクラスで私は最高評価のAを頂きました。
なぜアメリカに来てまもない留学生が最高評価を取れたのか?
結論から言うと、スピーチにおいて大事なのは英語力よりも準備力だからです。
今回はどうすれば留学生でもスピーチのクラスで最高評価を得られるのか紹介していきます。
もくじ
テーマの選定
プレゼンテーションをする上で、テーマ(またはトピック)を決める事は非常に重要です。
なぜならどんなに熱くスピーチをしても、先生から出されたお題に沿っていなければ減点されてしまうからです。
極端に言えば、一番好きな食べ物を紹介するテーマなのに、一番好きな飲み物をどんなに完璧な英語で説明しても減点されるということです。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、このテーマが少し複雑になるとテーマ選びを間違える生徒が多いので注意してください。
1番のオススメは先生に直接自分のテーマが先生のお題に沿っているか確認すること。
テーマ選びくらいだったら手伝ってくれる先生がほとんどなので、遠慮なく自分のテーマが正しいか質問しましょう。
アウトラインの作成
先生からのお題が、テーマだけとは限りません。
先ほどの例の場合、なぜその食べ物が好きなのか、栄養面はどうか、どうやって調理するのかなど、プレゼンテーション内で詳細を説明するようにしなければなりません。
そこで大事なのは、テーマを決めてから喋りたいことを無造作に書いていくのではなく、最初から最後までの大まかな流れを決めることです。
これをしないと、話す内容が途中で重複する可能性があるので、整理する意味でもアウトラインを必ず作ってから原稿を作ってください。
私がオススメする方法は、”3つの要点”を先に作り“初めに”と“まとめ”は最後に作ることでスピーチ全体にまとまりが生まれます。
最初に“初めに”を書き始めると、「ここからどうやって要点に繋げようかな」と悩んでしまう事が多いため、一番大事な要点を先に書く方が良いです。
なんども言うようですが、スピーチで大事なのはまとまりと流れです。
Body of speech(要点)の作成
最初に作成するのがこの要点です。
例えば一番好きな食べ物というテーマで、サーモンを選んだとしましょう。
そこから3つの要点(理由)をこのように述べます。
ここで注意して欲しいのが、3の要点が被らないこと。
要点1で栄養価が高いと書き、もし要点2で美容に良いと書くと、内容が被って減点されてしまうので注意してください。
次にしなければいけないのが、理由付です。
なぜそのように思うのかを最低でも2つずつ書かなければいけません。
あくまでアウトラインですので、この時点では話す事を全て書かなくても大丈夫です。
Intro(初めに)の作成
要点を全て書き終えてから書くのがこのIntro (Introduction)です。
ここでもテクニックがあり、スピーチの流れを自然なもにするためA→B→Cの順番ではなく、あえてC→B→Aの順番で書いていきましょう。
C) Thesis and Explain your main pointsというのは先ほど作った3つ要点をIntroの部分で述べることです。
サーモンが私の一番好きな食べ物です。なぜなら栄養価が高く、値段も高くなく、様々な調理法で味わえるからです。
こんなシンプルな感じで大丈夫です。
逆にここでは無駄な情報を入れると、減点されるのでご注意を。
B) Ehos Connectionではあなたが今から話す内容についてなぜ詳しいのか、なぜ聞き手はあなたの話を聴く価値があるのかを述べます。
ここではあなたの話へのCredibility(信用度)が問われているわけですが、そんなに難しく考えなくて大丈夫です。
私が日々病気もなく健康に過ごせているのは、毎日サーモンを食べているからです。
ちなみに私が毎日サーモンを食べているのはホントです。笑
別にここではあなたが何かの資格を持っていないといけないというわけではないのでご安心くださいね。
そして最後、A) Hook(フック)の部分では聴き手を惹きつけるなにかが必要です。
いかがフックの例です。
1. Ask a question(質問を投げかける)
2. Tell a story(物語から始める)
3. Use a surprising fact(驚くようなデータを出す)
4. Begin with a quotation(格言から始める)
5. Tell a joke(ジョークを言う)
6. Use visual aids(写真などを見せる)
私がオススメするのは上の例を混ぜ合わせることです。
例えば
質問)私があなた方より2年以上長生きするのはなぜか知っていますか?
データ)ハーバード大学の研究によると、週に2回以上サーモンを食べると寿命が2年延びるからです。
このように一つだけでなく、組み合わせると聞いている方も面白いですいし、先生からも高評価を受けやすいです。
さて後ろからC→B→Aの順番で書いていくとこのような流れになりました。
自然な流れになっていますよね。
これをもしA→B→Cの順番でやってしまうと、A)のフックに力を入れるあまり、後続との繋がりが薄れる危険があるのです。
例えば、フックで“メスのサーモンの中には卵が約7,000個入っているのをしていますか?”とデータを持ってくるまでは良いですが、これでは次のB)に繋がりにくいのです。
多くの生徒が最初を意識するあまり、全体の流れが悪くなるので、やはり後ろからC→B→Aの順番で書いていくのをオススメします。
Conclusion(まとめ)
アウトライン最後の部分、まとめになります。
ここまでくればアウトライン作成も終盤です。
A) Summarize your main pointsでは3つの要点をまとめましょう。
サーモンにはアスタキサンチンやオメガ3などの高い栄養価があるにも関わらず、毎日食べても値段は高くない。様々な調理法があるので、いろんな味を楽しめるので私はサーモンが一番好きな食べ物です。
B)Concluding sentenceはあなたのスピーチを締める文章になります。
ここではIntroで使ったフックにもじった締め方をすると先生やクラスのみんなから高評価をもらうこともできるので、少し頭をひねらないといけないかもしれません。
私はフックでクラスの生徒の健康面をいじったので、
毎日って言ったけど私は今日サーモンを食べられないと思う。だってクラスが終わった後すぐにみんなが学校前のスーパーにサーモンを買いに行って売り切れになるから。
みたいにジョークを飛ばすと笑いに包まれてスピーチが終わります。笑
別にジョークを入れる必要はありませんが、最後の文章は頭を少しひねると面白いかもしれません。
原稿の作成と添削
アウトラインさえできてしまえば、原稿を書くのは皆さんが思っているより簡単です。
なんせ話す内容が決まっているわけですから、後は制限時間と相談しながら文章を付け足してスピーチの流れを確認するだけです。
ここで注意して欲しいのが、アウトラインを本番のスピーチ一週間前に提出しなければない場合もあるので、時間には余裕を持って行動しましょう。
本文ができたら必ずネイティブの誰かに添削してもらってください。
私たちは留学生はどうしても文法間違いなどが出てくるので、英語がネイティブの人に見てもらうことをオススメします。
もし学校にコムラブがあるなら、これを活用しない手はないです。
後は練習あるのみ
準備は整いました。
後は本番に備えて練習しましょう。
コムラブで練習するのは英語だけでなく、非言語コミュニケーションです。
非言語コミュニケーションとは、アイコンタクトや腕を組む仕草、貧乏ゆすりや手のジェスチャーを言います
人間は93%をこの“非言語”でコミュニケーションを取っていると言われます。
言葉はたったの7%しかないのですね。
人は緊張すると、無意識のうちに腕を組んだり、スピーチとは関係の無い非言語コミュニケーションをしがちなので、そこをコムラブのチューターから指導を受けましょう。
カンペを読むよりは、暗記した方がもちろん先生の評価も高いので、可能な限り暗記をする練習をしましょう。
自分の声をボイスレコーダーで録音して、聞いてみるのも良いと思います。
大事なので何度も言いますが、スピーチは英語力ではなく、準備力です。
ですがここまで来ると、焦って練習する必要はありません。
あなたのスピーチの内容はすでに素晴らしいものが出来ているはずですから、あなたの英語にアクセントがあるくらいではそこまで減点されません。
私もこれだけ練習しても当日緊張してかみかみでしたが、そこまで減点されませんでした。
先生は、みんなが本番で緊張することを分かっているので、英語の聞こえやすさよりも、どれだけスピーチが整理されているか、先生の指示を守っているか、どれだけの時間をスピーチに詰め込んだかを評価しています。
100点を目指すのも良いですが、アメリカ人でも90点台を取る人は少ないのであまり完璧を目指さない方が気持ちが楽になりますよ。
以上のことを実践すれば、99%90点台を取ることが出来るでしょう。
まとめ
- テーマの選定が正しいか先生に確認をする。
- アウトラインを必ず最初に作る。その時は要点を先に書き出し、初めの部分、最後にまとめを書くと全体の流れが自然になる。
- コムラブに行って原稿の添削を必ず受ける。また非言語コミュニケーションに気をつける。
- 後は練習あるのみ。準備していればスピーチの内容に問題がないはずなので、英語にアクセントがあっても90点台はほぼ取れる。
- スピーチで大事なのは、英語力ではなく準備力。
多くの留学生が苦手な教科、パブリックスピーキング。
英語力がそこまでなくとも準備力でカバーできると言うのはお分かり頂けたでしょうか?
英語力が周りの生徒より劣るなら、その分彼らより準備を長く沢山すれば良いだけなのです。
そして準備を沢山して行くうちに、自分の気づかないところで英語力が伸びているはずですから。