海外生活

黒人差別をなくす為に私たちが出来ることは何か

アメリカで今何が起きているのか?4

こんにちは、ムネです。

これまで3日に渡り、ジョージ・フロイドさんが白人警官に殺された事件を受けてアメリカで起こっている抗議デモについてお話ししました。

 

 

 

 

最終日の今回は「アメリカで400年以上続く黒人差別、そして私たちに出来ることは何か」というテーマでお話しします。

アメリカの黒い歴史

slavery

まず初めにお伝えしたいのは、アメリカは他国(特にヨーロッパ)からの移民によって成り立ち、約500年と歴史の浅い国だと言うこと。

その内300年もの間、ヨーロッパ人による黒人の“奴隷貿易”が続き、悲しくもそれがアメリカ経済の発展に繋がったと言うことです。

スペイン人のコロンブスが1492年にアメリカ大陸を発見し、そこからスペイン人を含めるヨーロッパ人による植民地化、アメリカ先住民への奴隷制が始まります。

サトウキビやタバコ、綿花などを中心に産業が発達していましたが、多大なる労働力が必要だったため先住民たちを奴隷として働かせていたのです。

過酷な労働状況やヨーロッパからの疫病(えきびょう)がアメリカ大陸で蔓延(まんえん)したこともあり、この時に先住民の人口は激減してしまいます。

そこでヨーロッパ人は、アフリカから奴隷を連れてきて働かせることにしました。

アフリカの国王たちも奴隷を輸出する代わりに銃などの武器を輸入し、他国との戦争に勝つことが出来たので、この貿易はお互いの利に適ったものだったのです。

しかしキリスト教では「人は皆平等である」と考えられていたため、この奴隷貿易はヨーロッパで大きな波紋を呼びました。

そこでヨーロッパ人は「黒人は我々よりも劣っていて、奴隷になることが宿命である」と主張したのです。

こうしたアフリカとの奴隷貿易は1800年代まで続き、ヨーロッパ人が黒人を“資産”として所有し働かせることで、アメリカの経済発展に繋がりました。

「黒人は人ではなく、所有物として扱って良い」と合法化されており、これは1863年にリンカーン大統領が奴隷解放宣言をするまで続きます。

奴隷解放宣言が出てからも、「黒人は白人よりも劣っている」という考えは根強く残り、黒人に白人と同じ権利が与えられたのは1964年のことです。

黒人の権利が認められてから約60年経ちましたが、白人と比べ黒人は警察に射殺される確率が高いなど、人種差別はまだまだアメリカ社会に強く残っています。

人種差別は減っているのか?

Racism

マスコミが出す情報にしかアクセス出来なかった時代から、SNSの発展により、個人が発信する情報にアクセス出来る時代になりました。

人種差別を助長するような言動は厳しく罰せられる様になり、人種差別をインターネットなどの公(おおやけ)の場ですることが許されない世の中になってきています。

2020年5月25日、ニューヨーク市セントラルパークで黒人男性に犬にリードを付けるよう注意された白人女性エイミー・クーパー氏は、「黒人に脅迫されている」と警察に通報。

その一部始終もビデオに押さえらSNSで広がり、彼女は勤務先から“人種差別”を理由に解雇されています。

彼女のように人種差別的行動をとる人が正しく裁かれる様に世の中になっていること、若い世代が直接的に差別を経験しなくなっていること。

また人種だけでなく(同性結婚が認められるなど)マイノリティの意見が受け入られるようになっていることからも、アメリカで人種差別が減っているのは確かではないでしょうか。

私たちにできることは何なのか?

protest

最後にお伝えしたいのは、黒人に対する人種差別問題をなくすために私たち個人が何を出来るのか。

まずは黒人の人種差別の歴史について、私たち一人一人が関心を持ち学ぶ必要があります。

人種差別に関わる動画や映画を見るのだっていい、黒人の話を聞くのだっていいんです。

今でも印象に残っている黒人差別に関わるドキュメンタリー映画

彼らの歴史を学ぶには、まず自分の先入観を取り除き、彼らの言い分、経験をそのまま受け入れることが大切です。

黒人の歴史を知るうちに、知らない方が幸せだったと思うかもしれません。

しかし現実から目を逸らさず、彼らの痛みに真剣に向き合うことが、私たちに出来る最初のステップではないでしょうか。

次に大切なのは、行動すること。

黙っていては何も変わりません。

デモに参加したっていいじゃないですか。

略奪・破壊行為をすることはデモの本質からズレていますが、平和的な黒人のデモがアメリカで社会変革をもたらしたことは歴史上ありません。

良い悪いは別にして、略奪行為をする彼らは単純に物が欲しいと言うわけではなく、これらは彼らの怒りの表現方法に見えます。

暴動を起こせば、メディアが注目し、国民が注目し、世界中が注目します。

黒人男性が警官4人に暴行を加えられたことがキッカケとなり、1992年に起こったロサンゼルス暴動では、今回の抗議デモと同じ様に街が破壊され、略奪行為が繰り返されました。

雨降って地固まるではありませんが、その後ロサンゼルス警察の問題が明るみになり、白人ばかりだった署内は黒人や女性職員が増員され、安全に配慮したトレーニングが義務付けられるようになったそうです。

今回の事件がキッカケとなり、警察システムの問題点も明るみになっていることから、腐敗する警官たちは次々に淘汰(とうた)されていくのではないでしょうか。

アメリカで行われいる抗議デモのように、問題があると思うなら私たちはもっと自分の意見を発信しなければいけません。

そして問題提議をする人の意見を、受け入れる文化がまだまだ日本には足りないと感じます。

出る杭は打たれる文化は日本に根強く残っており、今回の人種差別問題に意見する声を毛嫌う人がまだまだ多いのです。

私のFacebookアカウントにはアメリカ人の友達も沢山いて、彼らは毎日の様に自分の意見を投稿しています。

これって素晴らしいことだと思いませんか。

SNSだけでなく、友達や家族に「自分の意見を言う」というのは多くの日本人の課題であり、彼らに見習わなければいけません。

有名人だけではなく、“あなた”が言うことに価値があるのです。

同じ考えや言葉でも、誰が言うかによって受け手への伝わり方は全然変わってきます。

テレビで見る様な有名人に「人種差別はいけない」って言われるより、親友や親に「人種差別はいけない」って言われる方が親近感があって説得力がある時だってあります。

特に子供たちは身近な人の影響を強く受けますよね。

だから自分の立場を気にせず、伝えたいことを発信するのって物凄く大事ですよ。

少し話はそれましたが、「自分の意見を発信する、行動する」ことこそ人種差別などの問題を少しずつ無くしていく、私たちに出来る方法ではないでしょうか。

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回4日に渡って書いた記事が、あなたに新たな視点を見出し、あなたが変わるキッカケになってくれると嬉しいです。

僕はあなたの行動を変えることは出来ません。

あなたの行動は、あなただけが変えることが出来ます。

自分の中に熱い思いが込み上げてきたのなら、黙っていてはいけません。

私たちの子供たちが住む世界が、今から少しでも平和になる様に。

 

引用文献一覧

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ムネ

ネバダ州立大学ラスベガス校卒。現地の会社からE2ビザを取得しラーメン屋店長になるも、2年後にコロナで解雇。ロスに引っ越すもそこで不法滞在となる。日本への一時帰国を経て現在はサンディエゴのレストランで働いています。 Facebookページから最新記事をお知らせ
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