私にとって年齢は単なる数字にしかすぎない。- 伊達公子
私のブログにはよくこう書かれています。
“24歳でラーメン屋の店長となる”
ですがここで私が本当に伝えたいと思っているメッセージは違うかも知れません。
“私は若い年齢で、レストランの店長という役職につきました。凄いでしょう。”
これは無意識で書いていましたが、この年齢でこの役職につくことが凄いことだと皆さんに伝えたかったと思うんです。
皆さんの多くは違和感なく、この様な文章を見ても通り過ぎるのではないかと思います。むしろ、
“若い年齢で凄いね。”
と思われる方も多いのではないかと思います。
ちょっと待って下さい。
考えてみると、店長になる(主な業務として人をまとめる、料理の質の安定、集客をする、お金の管理など)ことと年齢はあまり関係ないですよね?
もちろん店長をやる上で、“経験や能力”は関係してくると思いますが、年を重ねるにつれ能力が比例的に上がるとは限りません。
30代、40代でリーダーの役職につくことが普通で、20代でつくことは凄いこと(早すぎること)なのでしょうか?
そんな私もこの記事を書きながら、自問自答しています。
そう、私も含めて多くの日本人は内面的な能力よりも、外見の年齢という数字が気になるんです。
これはアメリカに来てから感じた、日本人として自分に対する違和感でした。
今回は、私も含めて日本人は年齢に囚われすぎているのではないかと思う事を発信していきます。
もくじ
日本人が無意識で年齢を気にしている場面
ニュース
こちらはつい先日嵐の二宮君が結婚したニュース
二宮君36歳とお相手の女性38歳と書いてありますが、ここでの年齢を明かす意味はあるのでしょうか?
むしろアメリカでは女性に年齢を聞くのはタブーとされているため、意味もなく記事に年齢を載せるような行為は大変失礼です。
私が日本にいた頃よく見ていた“News Zero”の野球中継でもこのようなことが起きています。
“筒香選手 25歳”と表示していますが、選手の年齢はここで関係あるのでしょうか?
“若い選手が頑張りました、もしくはこれだけ年を重ねたベテランが打ちました。”
という様な意味でも込められているのでしょうか。
日本のニュースではこう言った意味のない年齢表示が目立ちます。
初対面
やはり日本には尊敬語、謙譲語などもありますし、話す相手によって言葉を使い分け、尊敬を表す文化です。
年齢が一つ違うだけでも、使う言葉が変わっていきますし、そう言った意味でも私たちが年齢を気にするのは、私たちが使う言語に大きな要因があると思います。
初対面の時に、必ずと言っていいほど聞く・聞かれるのが“おいくつですか?”
相手が年上の場合、使う言葉を変えて敬意を表さないと、私たちの文化では“無礼者”と見られますが、面白いことにアメリカでは真逆です。
アメリカで初めて会った人に年齢を聞くと、“こいつは内面ではなく、年齢(外見的要素)で私を判断するのか”、と“無礼者”として見られますのでご注意を。
ここでも言語の種類が違うので、どちらが正しいとは言えませんが、アメリカで初対面の人に意味もなく年齢を聞くのは控えた方が良いでしょう。
仕事
私の場合、日本食のレストランで働いているので、アメリカに住んでいますが日本人と接することが多い環境です。
日本人からするとリーダーの役職には若すぎる24歳という年齢で店長になったので、私の周りでは年齢への話題が絶えません。
“ムネさん、若く見えますけどおいくつですか?”
“若いのにすごいですね。”
こう言ったことを言われて、嬉しいと思うのが正直な気持ちです。
ですがこれは井の中の蛙。
アメリカにあるレストランなので、アメリカ人を雇うことの方も多いわけですが、彼らは決して私の年齢で褒めることはありません(というか年齢の話をしません)。
良い意味でも悪い意味でも、彼らはこの人は歳が上だから尊敬しようとはしません。
彼らからは年齢よりも、仕事ができるのか、リーダーとして本当に相応しいのかという様な内面的な本質を見られているなと感じます。
実際にアメリカは実力主義、誰でも努力すれば成功できる国なので、チャレンジャー精神のある人が多く、私のような若者はゴロゴロいます。
実際に私のアメリカ人の友達でも大学を卒業してミシュランスターレストランの店長に抜擢された人もいますし、そう言った意味では年齢に関係なく実力のある人間が成功する国だなと心底思います。
アメリカでも年齢を気にする時
散々日本人は年齢を気にして、アメリカ人はあまり気にしないと言って来ましたが、アメリカ人が年齢を全く気にしないかというとそうではありません。
未成年の飲酒
日本では、お酒を買うときやレストランでお酒を頼む時にID(身分証明書)を見せなければいけないシーンは少ないかと思いますが、アメリカは必ずと言っていいほどIDチェックがあります。
私もレストランで働いているので、40歳以下に見える人は厳しくID確認をするように伝えています。
それもそのはず。
私が住んでいるネバダ州法では、もし未成年にお酒を提供したことが発覚した場合、以下の刑罰がお酒を提供した側にも科せれます。
6ヶ月以下の懲役、$1,000以下の罰金
もしレストランでお酒を飲んだ未成年が事故を起こした場合、責任はお店側にもあると判断されるため、注意が必要です。
未成年とのわいせつ行為
日本でもこれは非常に重い罪に問われます。
特にアメリカでは未成年(18歳未満)でも大人っぽく見える子が多いので注意が必要です。
ここで注意して欲しいのは、相手の了承があっても、未成年の親が訴えると捕まってしまいます。
刑罰は州によって違いますが、ネバダ州の法律では、以下の様な刑罰に科されます。
もしあなたが18歳以上21歳未満で相手が未成年の場合
1年以下の懲役、$2,000以下の罰金もしあなたが21歳以上で相手が未成年の場合
1年以上10年以下の懲役、$10,000以下の罰金もしあなたが学校の先生や、学校で働く職員で相手が16歳未満の場合
1年以上5年以下の懲役、$10,000以下の罰金なお14歳以下との性行為は、罪が一番重く
35年以上の懲役が科せられます。
男性の方、アメリカでは15歳、17歳でも大人っぽくて可愛らしい子は沢山いますが、未成年との交際だけは避けて下さい。
私も以前、17歳の女の子からのアプローチがありましたが、さすがにまずいと断りました。
こう言った法律に関係することに対しては、さすがのアメリカ人も年齢を気にします。
年齢を気にする日本人の良い文化
アメリカに来てから、日本人の年齢に対しての考え方について違和感を覚えたこともありましたが、日本人でよかったと思う事も多々ありました。
その一つが、“先輩・後輩の文化”です。
アメリカは上下関係がないので、この日本特有の先輩・後輩の関係がなく、みんな友達のような感覚です。
私も日本のいた頃は、柔道、野球、陸上といろんなスポーツをしていたので、沢山の先輩、後輩に出会いました。
先輩から可愛がられ学校の勉強では学べない様な事を教えてもらったのも覚えていますし、自分に後輩が出来、後輩に教えているつもりが、実は自分が学んでいることも多々ありました。
実際にアメリカで出会った日本人の先輩は私の人生を変えてくれましたし、そう言った意味で、このような文化がないアメリカ人は損をしているかもしません。
中には先輩・後輩の文化は面倒だという方もいるかもしれませんが、私は日本特有のこの文化のお陰で、自分の先輩・後輩から学ぶことが多い人生を送っています。
まとめ
- 日本人は無意識の内に年齢を気にしてしまっている。ニュースなどでも意味のない年齢表示が目立つ。
- 日本では普通だが、アメリカでは年齢の話をするのは失礼にあたることもあるため、注意が必要。
- アメリカ人は年齢を気にしないのではなく、法律に触れる恐れがある時などには年齢確認を厳しくする傾向にある。
- 日本人が年齢を気にすること全てが悪いわけではない。先輩・後輩の文化は日本にしかなく、学びの場を広げてくれる。
アメリカの生活も6年目を迎えた私ですが、アメリカ人と日本人の考え方の違いが分かるようになってきました。
アメリカ人は年齢を気にしない様に見えますが、年齢で判断されるのを物凄く嫌うため、あまり年齢の話をしないのが賢明かもしれません。
皆さんも、ニュースや普段の会話を意識して聞いてみると、意味なく年齢を気にしているなと気づくことがあるかもしれませんよ。