ブラックフライデーではこのような割引をよく見かけます。
”こんなに割り引いてお店は大丈夫なのだろうか?”
こんなことを考える人もいるかと思います。
私もその1人でしたが、ビジネスをやっている以上、このような割引には絶対なにか裏があると考えるようになりました。
そしていざ調べてみると、儲けのカラクリがわかって来たのです。
今回は割引を沢山してもなぜお店が儲かるのか、ブラックフライデーの黒い秘密を探っていきましょう。
(ブラックフライデーを知らない方はこちらの記事をご覧ください。)
もくじ
結局セールになる商品
各ブランドの新しいモデルは、ブラックフライデーの何週間後に発売されることが多いです(特にアパレル)。
新しいモデルが出ると店側は古い在庫を処理したい為、古いモデルはブラックフライデーじゃなくとも結局セールになります。
ただブラックフライデーは1年間で一番お店に買い物客が訪れる為、新しいモデルが出る前に古い在庫を出来るだけ処理してしまおうというのが店側の狙いです。
なのでブラックフライデーだけではなく、2週間後も同じセールをやっているお店も多いです。
割引を大きく見せるために、ブラックフライデー前に通常の値段を上げる
ウォール・ストリートジャーナルによれば、割引額をより買い物客に魅力的に見せるため、ブラックフライデーの何日か前に通常価格を上げる小売店まであるようです。
実際にウォール・ストリートジャーナルが行った調査では、全体の1/5の商品がブラックフライデー前に8%値上がりをしていました。
また玩具や工具の販売店では、この数字は23%も値上がりしています。
本来の値段は同じでも、あえて値上げをすることによって、ブラックフライデー時に割引額が大きいように見せることが出来るのです。
5000円割引のテレビと1万5000円割引のテレビではどちらの方が魅力的でしょうか?
これで数量限定10台なんて書かれると、希少価値が高まり、買い物客の購買意欲を掻き立てます。
結果として、お店側は割引をしても損をせずに商品を売ることが出来るのです。
いくつかの商品はブラックフライデーの為に作られ、品質が悪い
大手雑誌Forbesからこのような記事が出ています。
Forbesの調査では、大手の販売店(ウォールマートなど)は各ブランドと手を組み、ブラックフライデーの為だけに家電製品(特にテレビ)を作るようです。
このような通常では販売していない商品をアメリカでは“Derivative models(派生したモデル)”と呼びます。
ブラックフライデーに来るような客層をターゲットにし価格重視で製造される為、HDMIのコードを挿せるところが少ないなど、性能は通常のモデルよりも劣るそうです。
ただブラックフライデーに来る買い物客は、ブランド名、テレビのサイズ、どのHDTV (LEDやプラズマなど)くらいしか注目していないと思うので、性能が劣ることなど気にもしないでしょう。
ここで一番注意したいのは、このようなモデルは故障が起こりやすく、返品出来ない場合が多いということ。
安いからと言って、必ずしもそれが賢い買い物だとは限りません。
ドアバスターディールはほぼ買えない
“60インチのテレビが2万円”
などという広告がブラックフライデー前の一週間は毎日のように家に届きます。
こういった割引額の大きく魅力的で、数量が限られている商品をアメリカではドアバスターディールと呼びます。
名前の通り、こういった商品はお店がオープンしてすぐ売り切れてしまいます。
お店側はドアバスターディールをすることで確かに赤字が出るそうです。
ですがそれ以上に、ドアバスターディールにつられ多くの買い物客が押し寄せ、他の商品を買うので結果としてお店としては利益を得るわけです。
実際に私もアメリカに来た最初の年、58インチのテレビが$199というドアバスターディールにつられ家電量販店のベストバイに5時間前から並びましたが、時既に遅し。
そこにはテントなどひいて前日から並んでいる人が大勢いて、限定20台ということもあり結局お目当てのテレビは手に入りませんでした。
せっかく5時間並んでそのまま帰るのもなんでしたので、別のテレビを買っておまけに安かったゲーム機などを買ったのを覚えています。
今考えれば、まんまとお店の作戦にはまりました。笑
こういったドアバスターディールはほぼ手に入らないと考えた方が良いでしょう。
ブラックフライデーセールのほとんどが売れ残り、生産中止、または返品された商品
小売店の多くが売れ残り、生産中止、返品または損傷した在庫を処理する方法としてブラックフライデーを利用します。
実際にForbesではこのような記事が書かれています。
任天堂スウィッチには古いモデルと今年8月に発売された新しいモデルの2種類があります。
コントローラーのバッテリー持ちが新しいモデルの方が2時間長いのが大きな特徴です。
パッケージが古いモデルと新しいモデルでは若干違うので、古いのを選ばないように注意をして買い物しましょうという記事でした。
ここでも指摘されていたのが、小売店は古い任天堂スウィッチの在庫を処理したいため、ブラックフライデーで少し安くとも売ってしまおうと目論んでいるとのこと。
子供達の親のほとんどは、どちらの任天堂スウィッチが古い、新しいなど分かりませんよね。
子供がゲームをするので、親からしてみれば古くても新しくても、安ければいいというのが本音かもしれませんが、そこを小売店側も見逃していません。
これがゲームだからまだ良いかもしれませんが、他の電気機器だと話が変わって来ます。
破格の値段でプリンターが売られていたとしても、もし製造中止になっているモデルだった場合、そのモデルに合うインクがないことだって考えられます。
有名ブランドのブレンダーを買ったはいいものの、必要最低限のものだけしか装備されていない、ブランドの中でも一番安いモデルかもしれません。
割引をしているからといって惑わされずにしましょう。
たとえ少額であっても、機能しないのではお金が無駄になってしまうので、気をつける必要があります。
まとめ
- ブラックフライデーのセール品の多くが、ブラックフライデーが終わってからも結局セール品になる。
- 割引を大きく見せるために、ブラックフライデー前に通常価格を上げる小売店もある。
- 大手の販売店は各ブランドと手を組み、ブラックフライデーの為だけに安価な商品を作ることがある。
- ドアバスターディールはほぼ買えない。
- ブラックフライデーセールのほとんどが売れ残り、生産中止、または返品された商品。
“ブラックフライデーはお客様の為に赤字覚悟で販売します!”
なんていうことはなく、お店側もビジネスなのでこの日に出来るだけ沢山の売り上げをあげようと必死なようです。
割引額だけで買い物をするのではなく、その商品が本当に欲しいものなのか、本当の価値はいくらなのかを頭に入れてブラックフライデーは買い物をした方が良いかもしれません。
やはり美味しい話には必ず裏がありますので、皆さんも賢い買い物客になりましょう。