Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school. - Albert Einstein
学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。-アルベルト・アインシュタイン
私はラスベガスにあるUNLV (University of Nevada, Las Vegas)に去年まで在学していました。
私が専攻していたホテルマネジメント学部は、東のコーネル、西のUNLVと言われるほど全米でも有名で、世界中から生徒が集まります。
授業によっては、留学生が5割以上というクラスまでありました。
ホテルマネジメント学部と言ってもホテルの勉強ばかりをするわけではありません。
サービス業に携わる様々な面(サービス、会計、簿記、食品衛生、法律など)を4年間を通して勉強しました。
留学中に50以上のクラスを取りましたが、今回はその中でも印象的で、他の学校では体験できないだろうなというユニークなクラスを紹介したいと思います。
もくじ
TCA 380 - Hospitality Marketing
アメリカの大学では2年間は一般教養(理科、音楽、数学など)の授業を受け、3年目から専攻科目の授業を受ける事が出来ます。
3年目に受けた最初の授業がこのマーケティングの授業でした。
主にSNSをどう使いマーケティングに役立てるか、効果のある/ないマーケティングの違いなどの授業です。
このクラスの一番最後のチームプロジェクトは、“実際に存在するサーカスサーカスホテル内のゲームセンターAdome Midwayをどのようにマーケティングし、顧客を獲得するか”というものです。
ホテルの客室数が世界一多いラスベガスならではの授業です。
このサーカスサーカスホテルというのは今日本のIRでも話題のMGMリゾートが運営しているホテルです。
私たちのグループも5人で16ページのリサーチペーパーを書き、いざプレゼンへ。
果たして結果はどうなったのでしょうか?
HMD 401 - Hospitality Law
続いては法律の授業。
さすが訴訟大国アメリカ、日本人からすると“そんなことで訴えるの?”という事例が沢山ありますよね。
さらに面白いのがその裁判で勝って大金を手にする所。
有名な所でいえば“マクドナルド・コーヒー事件。”
ドライブスルーで買ったコーヒーを誤って膝にこぼし火傷した女性ですが、“こんなに熱いコーヒーは異常だ”ということでマクドナルドを訴えました。
裁判の結果、この女性は3億円(のちに5000万円に減額される)を勝ち取るのです。
ちなみにこの物語を元にした映画Hot Coffeeまで製作されています。
アメリカは競争社会・多民族国家なので、問題が起こると第三者を通して解決するのが一番早いんですね(裁判に勝つと大金も手に入りますし)。
そんな訴訟社会のアメリカですので、法律を学ぶ事がアメリカでビジネスをする上で非常に重要になってきます。
この法律の授業では過去の裁判事例を元にしながら授業が進みます。
中には、“さすがにそれは自分が悪いでしょ?”という事例や“そんなことで訴えられて負けてしまうんだ”という事例まで様々。
この授業の一番面白いところはグループで裁判事例の登場人物になりきり、動画を作りプレゼンするというもの。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
このクラスは私が大学で一番勉強した科目かもしれません。
テストも難しく、グループプレゼンテーションも何度もあったりと、大変なクラスではありましたがその分一番勉強になったクラスと言っても過言ではないでしょう。
FAB 467 - Restaurant Management and Operations
卒業間近、一番最後に取るのがこのレストランマネジメントのクラス。
このクラスでは、自分たちでお店のテーマを決め、出す料理や飲み物を選び、マーケティングをして人を集め、実際にレストランを運営するという今まで勉強して来た集大成のような授業です。
1グループ6人から成り、それぞれ役割分担がされます(料理長、副料理長、マーケティング担当、バー担当、ホール責任者、そしてゼネラルマネジャー)。
私たちは“Hello Tokyo”という名の日本食レストランを作ることになりました。
もちろんレストランを一から作るなんて、みんな初めてです。
生徒6人で作ったレストラン、果たして上手く行ったのでしょうか?
まとめ
- TCA380: マーケティングの授業。クラス最後はマーケティングのプロを前にプレゼンをし、評価してもらえる。
- HMD401: 法律の授業。自分たちで裁判事例の登場人物になりきり動画を取り、それをクラスで発表。アメリカでビジネスをする上で欠かせない授業。
- FAB 467: 6人グループに分かれ、一からレストランを作り、1日だけ営業する。コスト計算、ウェブデザイン、メニューやレシピを全て自分たちでするので大変ではあるが、卒業前最後の授業にふさわしい。
私は実は2年間の短大生活を経てUNLVに編入したわけですが、やはり3年生からの授業は実践的なものが多く、またラスベガスの土地柄出ている授業が多い印象でした。
特に最後のFAB467はラスベガスの大学でしか受けられない授業ですので、自分のようにレストラン経営を学びたい方にはラスベガス留学がおすすめです。