あなたは今まで率先してボランティア活動に参加したことがありますか?
まずはこちらのデータを見てくだい。
日本内閣府が令和元年6月に発表した調査では、ボランティア活動に対する興味を日本の若者に聞いたところ、「ある」と答えた割合は33.3%、「ない」と答えた割合は48.1%で約半数を占めていた。
調査対象の7か国比較でみると、「ある」と答えた割合は、アメリカ(65.4%)が最も高く、次いでイギリス(52.7%)、韓国(52.6%)、フランス(51.7%)、ドイ ツ(49.6%)、スウェーデン(45.8%)、日本(33.3%)となっている(各国満13歳から満29歳までの約1,000人の男女が対象)。
各先進国の若者と比べ、日本の若者はいかにボランティア活動に興味がないかお分かりでしょうか。
またボランティア活動への無関心さは若者だけでなく、多くの日本人にもあてはまるのではないでしょうか。
政府統計によると、アメリカでは通常1年間に、国民の約5分の1に当たる6,200万人以上がボランティア活動に参加しています。
ではなぜアメリカではこれほどまでに、ボランティア活動が盛んなのでしょうか?
アメリカではキリスト教の考えが根強く残っているので、人助けをする事が社会的美徳だと考えられていますし、植民地時代から様々な文化を持った移民たちが助け合い生活して来た事が関係していると思います。
データからも分かるように、あなたが思っているよりもアメリカ人はボランティ活動に積極的です。
あなたがもしアメリカにいるのであれば、是非ボランティア活動に参加してみることを勧めます。
その理由は、以下の3つです。
- 社会的評価が得られる
- 人脈・知見が広がる
- 自分の成長に繋がる
私も実際に約1年間ラスベガスにある日本語学校でボランティアをして学んだ3つを今回は解説していきます。
もくじ
社会的評価が得られる
アメリカ国民の約5分の1以上が毎年ボランティア活動に参加しているわけですから、大学入試時や就職活動時に評価対象になる場合が多いです。
特にアメリカの名門大学(アイビーリーグ)入試では、ボランティア活動をして来たことが顕著に評価されます。
こちらの表は2017年のアイビーリーグの出願者数、合格者数を表した表です。
最難関コロンビア大学の合格率は6.04%、一番倍率の低いコーネル大学でも13.96%となっています。
クライムソンの調査ではイェール大学に合格した生徒の平均GPAは3.9(4.0が最高評価)だったことも考えると、アイビーリーグへの合格はGPAが高くて当たり前。
合格するためには成績以上のものが必要だと考えられます。
日本の大学入試は、高校の内申点と入試の点数が合否を分ける大きな基準だと思いますが、アメリカでは今までの成績はもちろんのこと、出願者の経験・活動内容を評価されます。
こちらの大学では、出願する際のアプリケーション(願書)の中に成績を書く欄の他に、自分の活動内容を書く欄(自己PR欄)があります。
内申点やテストの点数といった表面的な数字だけでなく、あなたの人格を今までの活動内容から大学は評価するため、テストの点数が少し足りなくとも様々な活動をしていれば合格できる可能性があるということです。
ここで注意して欲しいのは、大学が審査するのはどんなボランティアをどの期間行ったかという表面上の活動内容ではなく、あなたがこのボランティアから何を学んだか、どんなスキルを身につけたかといった内面的な活動内容です。
スキルを身につけるためにはある程度継続した活動が必要ですし、大学側も何百、何千という願書を見ているので嘘をついてもすぐにバレます。
入試だけでなく就職をする際にも、ボランティア活動、それに伴ったスキルは評価の対象になるため履歴書にもボランティア活動を書く欄があります。
大学入試の為や就職の為にボランティアすることは、ボランティアの本質とかけ離れていると思われる方もいるかと思いますが、それでもボランティアを通じて人々が助け合える文化はアメリカならではですし、私はそうやってボランティアをするキッカケになるのは良い事だと思います。
人脈・知見が広がる
ボランティアをしていると、自分の学業・職業とは違った人に出会う機会が多くなるでしょう。
同じボランティアに参加している人、ボランティアの主催者、ボランティアを受けている人は普段の生活では会えないバックグラウンドを持つ人ばかりです。
私が大学生の時にしたボランティアの一つに、ホームレスの社会復帰を応援する活動がありました。
ラスベガスのホームレス人口は14,000人以上。
Hero Schoolという名前の団体でしたが、そこで出会うホームレスの人は私が想像していたホームレスと違い、夢や希望に溢れていたのです。
仕事に就きたいけど身分証明書がない、仕事の面接に行きたいけど綺麗な服がないなど、働きたくても働けないホームレスを支援し、この団体のお陰で10,000人以上のホームレスがラスベガスから減ったと言われています。
主催者の男性が口うるさくホームレスの方に言っていたことを、今でも覚えています。
Homeless but not hopeless
家はないかもしれないが、希望をなくすな
彼の話を聞くホームレスの方の目は輝いていました。
このボランティアのお陰で私のホームレスに対する価値観が変わったのは言うまでもありません。
私は現在日本語学校でボランティアをしていますが、ボランティアを通して新たな人脈形成ができます。
どこで誰と会い、そのご縁の花がどこで咲くかは分かりませんが、いろんな人に出会い知見を広げることはあなたの人生をより豊かにするでしょう。
自分の成長に繋がる
私はボランティア活動をして一番学んだのは、自分が彼らから元気や勇気を貰っていることです。
正直私は25歳になるまでボランティア活動に携わったこともなければ、興味もありませんでした。
「なんで自分の貴重な時間を使って無料で働かなくちゃいけないんだ。」
そんな事を思っていた自分がいたんです。
当時は仕事や人間関係での悩みが多く、その事を相談した先輩から勧められたのがボランティアをしようと思ったキッカケでした。
「困っている人の手助けをしていくうちに、自分の悩みを解決するヒントが見つかるかもしれないよ。」
自分でNPO法人を立ち上げ、ホームレスが社会復帰できるように毎週活動していた先輩からの一言でした。
そして私も毎週ボランティ活動に参加して約1年、少しずつ気づいた事があります。
それは、自分が相手に奉仕をしているようで、一番奉仕されているのは自分だということです。
確かにボランティアなのでお金は貰えません、時間も制限されるかもしれません。
ただお金では買えない無形資産をボランティア活動を通して得る事が出来るのは間違いないと断言出来ます。
それはホームレスの方からみなぎる諦めない力かもしれませんし、子供たちの常に全力で遊ぶ姿、笑いたい時に笑い、泣きたい時に泣く素直さかもしれません。
彼らの頑張る姿から、私たちは自然とパワーを貰っているのです。
私は子供たちと毎週のように触れ合い、改めて原点に戻る大切さ、彼らのような純朴さを忘れないようにしようと再確認することが出来ました。
もう一度大切な事なので言います。
ボランティア活動を通し、一番助けて貰っているのは他でもなく、あなた自身です。
まとめ
- アメリカではボランティア活動をすることで、そこで得たスキル・活動内容が大学入試時、就職活動時に評価される。
- ボランティアは、自分が今まで会ったことのない業種・バックグラウンドの人に会うことが出来、自分の価値観を良い方向に変えてくれる。
- ボランティアを通し一番成長するのは自分自身である。お金では買えない経験に気づく事が重要である。
The best way to find yourself is to lose yourself in the service of others.
己を知る最高の方法は、人々を助けることに没頭することである。
これはかの有名なガンジーの格言です。
自分の肩書きを捨て、本来の自分自身でボランティアに参加するからこそ人助けが出来ますし、人助けをしているつもりが、彼らに元気や勇気を自分が貰っていることにも気づくでしょう。
さあ、あなたも何か小さなことでも構いません、最初の一歩を踏み出してみませんか?