日本の高校を卒業し、語学学校を経てラスベガスの大学に進学。
大学を4年で卒業した後、現地の会社からビザを出して頂き、ラーメン屋の店長として働いていました。
コロナの影響で解雇されてからは、ロサンゼルスの日本食レストランで店長を任されます。
順風満帆にアメリカ生活が進んでいたかと思いきや、驚きの事実を弁護士から突然知らされます。
「あなたのビザはなくなっている。もしかしたら今のステータスは不法滞在かも知れない。」
聞くところによるとこのままアメリカに不法滞在し続けると短くて3年、長ければ10年アメリカを入国禁止となる恐れがあるとのことだったので、心の準備が出来ぬまま日本への帰国を余儀なくされました。
そこで今回の記事では、アメリカでレストラン店長だった私が、帰国せざる得なくなった経緯を紹介します。
もくじ
コロナで解雇
まず初めの転機は新型コロナウイルスがアメリカで拡大し、私が働いていたレストランが一時的休業に追い込まれ、会社から解雇されたことでした。
行政の指示で店内での食事、またお持ち帰り営業すら出来なくなった会社は、時給で働いていた従業員全員を一時的に解雇したのです。
いつまでお店が閉まるか分からなかったですし、私の会社はアメリカに約10店舗あったため、従業員の解雇は経費を削減するためには仕方がなかったと言わざるおえないでしょう。
解雇の流れは月給で働いてた私にも訪れ、お店が閉店してから1週間後に解雇を言い渡されました。
しかし会社から出して頂いた就労ビザが2021年の9月まで残っていたため、この時は新しい仕事を探せばいいと正直楽観的でした。
就労ビザは別の会社に移すことが出来ると聞いていましたし、会社のオーナーからも「次の仕事が見つかるまではビザを会社に残しておく」と言って頂いたからです。
自分には「解雇されて落ち込んでいる暇はない」と言い聞かせ、新しい仕事を探すことに集中しました。
ロサンゼルスのレストランで働く
新たな職場を探していた時、以前の会社でお世話になった先輩がロサンゼルスでレストランを開店すると聞き、是非とも手伝ってくれないかと誘ってもらいました。
6年住んだ街を去るのは寂しい気持ちもありましたが、新たな街、新しい職場で働く好奇心の方が大きかったです。
コロナの影響で移民局は閉まっていると聞いていたため、ビザの移行を待たずにロサンゼルスへ発ちました。
州が変われば法律も変わるアメリカですから、今までやってきた常識が通じないこともあり大変でしたが、働けることへの喜びと、誰かが自分を必要としてくれているという気持ちで毎日が充実していました。
レストランでは店長にも任命して頂き、仕事ばかりの毎日でしたが辛い気持ちは微塵(みじん)もありませんでした。
この時はまさか自分のステータスが危ないことになっているとは頭の片隅にも無かったです。
突然知らされた不法滞在の知らせ
ロサンゼルスのレストランで働いてから4ヶ月が経った頃、そろそろ移民局も動き出しているだろうということで、ビザの移行の準備に取り掛かりました。
前の会社から必要な書類があったため弁護士に確認の電話を入れたところ、衝撃の事実を知らされます。
「あなたのビザは既にキャンセルされていますよ。キャンセルされた日次第では不法滞在していることになっているかも知れません。」
ビザがキャンセルされた?
不法滞在?
思ってもいなかった言葉に戸惑いを隠せませんでした。
「そんなことはあるわけがない、前の会社のオーナーに確認しよう」と連絡を1週間試みましたが繋がらず、結局別の人からビザがキャンセルされた事実を知らされます。
オーナーのことは3年以上知っていましたし、当時23歳の自分を店長を任せてくれた方だったので、裏切られた怒りの感情などは一切ありませんでした。
ビザをキャンセルせざるを得ない理由があったのではないか?
その事実確認がしたくてお話を聞きたかっただけなのに、連絡が1週間も繋がらない時は正直ショックでした。
ビザがキャンセルされてから90日以上が経過していたため、自分のステータスは不法滞在。
ビザが無くなってしまったもの仕方がないと、アメリカに残って新規ビザを取得する方法を弁護士に確認しましたが、不法滞在のステータスでは難しいとの判断。
日本でビザ申請をしようにも、不法滞在の記録が残っているため、この先2年はビザの取得は厳しいとの言葉をもらいました。
アメリカに滞在する残された方法は2つ。
アメリカ人と結婚するか
不法滞在者としてアメリカに残るか
2つとも現実的かつ正しい判断とは言えなかったため、日本へ帰国することを決意しました。
なにが問題だったのか?
ビザは2021年9月まで残っているはずなのに、なぜそのビザが無くなってしまったのか?
【アメリカで転職】E2ビザは移行できるのか?で説明しているように、就労ビザはその会社で働くために出されているものであり、スポンサーになっている会社を辞めると無くなってしまうのです。
なので今回のように、いくら自分のビザが来年まであろうが、会社をやめた途端なくなってしまうんですね。
会社を辞めてからすぐに不法滞在となるわけではなく、辞めてから60日間は合法的にアメリカに滞在することが出来、この期間に別の会社でビザを新規申請すればアメリカに残ることが出来ます。
ラスベガスの会社を辞めた後、すぐにロサンゼルスの会社でビザ申請をしなかったのが大きな間違いでした。
気づいた頃には時すでに遅し。
会社を辞めてから60日を過ぎていたため、不法滞在者となってしまったのです。
ラスベガスのオーナーの「次の仕事が見つかるまではビザを会社に残しておく」と言う約束も、あくまで口約束であったため何も効力はありませんでした。
これがメールでやりとりをするなど、書面上で残っていれば結果は変わっていたでしょう。
そう言った意味でも、今回は自分の知識不足とビザ申請を先送りしたことが全ての原因です。
アメリカで自分のことを守るのは、友達でもなく、学校でもなく、会社でもなく自分なのです。
自主的に動かなければあなたが損をしてしまいます。
この記事を読んでいる人には私のような間違いを犯さないよう、ビザのことは後回しにせず、早め早めに行動して欲しいと思います。
それでもアメリカに戻りたい
アメリカから帰国し、現在は日本で暮らしています。
日本はインフラも確立されていますし、治安も良く、食べ物も美味しく、住むのに不自由がない国です。
それでも私はやはりアメリカに帰りたいと感じます。
外国人、英語も完璧に話せない、アジア人と言うことから、アメリカで私はマイノリティ(少数派)のため、常に挑戦者という気持ちになれるからかもしれません。
またあの刺激的な国に帰れるよう、知り合いの飲食店オーナーさんにお願いし、その方の会社で新たに就労ビザを申請してもらっています。
こんな状況下でビザを申請してくれると言ってくれたオーナーには、感謝の言葉では足りないくらい、命を救われた気分です。
「弁護士は教科書通りのことしか言わないが、不法滞在になってもビザを取得する裏道は必ずある」と語るオーナーさんに全てを託し、今できることをやりながらアメリカに戻るまでの準備をしています。
私はアメリカでやり残したことがまだまだ多いので。
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